クロールアルカリプロセスを改善する持続可能な膜
クロールアルカリ処理技術は、主に環境や安全性への配慮により、年々大きく進化しています。長年、クロールアルカリメーカーには、持続不可能で安全性の低い処理方法である水銀または隔膜電解槽を使う2つの選択肢しかありませんでした。
現在、新しく設置されるクロールアルカリ装置のほとんどは、持続可能で安全な膜技術を採用しています。それぞれのクロールアルカリの環境は、食塩水の供給源や品質、電気代、利用できる資本、従業員の経験値といった変動要素を伴う使用例によって異なります。それでも、クロールアルカリの設備でひとつ共通しているのは、より安定した性能と省エネが求められているという点です。
商品の生産規模を拡大する際には、安定性とエネルギーの節約が重要です。クロールアルカリ膜は、塩化ナトリウムを工業的に電気分解することによって、最も広く使用されている2つの汎用無機化学品、塩素と水酸化ナトリウム(灰汁、苛性ソーダ)を製造するための、環境に優しいソリューションを実現します。
塩素と水酸化ナトリウムは、以下でも使用されています。
- プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、ポリカーボネート、塩素系中間体の製造
- 建材用ビニルの原料
- パルプ・紙の加工
- 水処理
クロールアルカリプロセスでは、多くの用途で使用されている水素も生成されます。
特徴および利点
Nafion™(ナフィオン™)膜はアイオノマーをベースにしているため、幅広い使用条件でイオンを選択的に伝導します。この独自の特性により、膜を使うと、厳しい環境下でも、より高品質で持続可能な電気化学的分離が可能になります。
さらに、Nafion™(ナフィオン™)クロールアルカリ膜は、その寿命期間を通して、安定した電圧性能、電流効率、機械的耐久性、高い耐不純物性を発揮します。
つまり、以下の利点があります。
- プロセスの中断が少ない
- メンテナンスダウンタイムの削減
- ライフタイムコスト、総所有コスト(TCO)の削減
- 安定した生産量
- ライフタイムエネルギー消費量の削減